犯罪捜査のデジタル証拠を丸ごと解析!ブラジル連邦警察が開発したオープンソースのフォレンジックツール — IPED

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IPEDは、犯罪捜査や企業内調査で押収されたパソコンやスマートフォンなどのデジタル証拠を処理・分析するための無料ソフトウェアです。ハードディスクやディスクイメージ(ディスクの中身をそのままコピーしたファイル)を読み込み、削除されたファイルの復元、画像・動画の自動分類、チャット履歴の解析、顔認識、地図上での位置情報表示など、証拠分析に必要なあらゆる機能を一つのツールで提供します。ブラジル連邦警察のデジタルフォレンジック専門家が2012年から開発を続けており、最新ハードウェアで1時間あたり400GBもの高速処理が可能で、1億3500万件以上のデータを扱った実績があります。法執行機関の捜査官だけでなく、企業の情報セキュリティ担当者や民間のフォレンジック調査員にも広く利用されています。

🔥 なぜ話題?

デジタル犯罪の増加に伴いフォレンジックツールの需要が世界的に高まる中、商用ツール(EnCaseやFTKなど)に匹敵する機能をオープンソースで無料提供している点が注目を集めています。特にAIを活用した顔認識・ヌード検出・音声文字起こしなどの先進機能が追加され続けており、予算の限られた法執行機関やセキュリティ研究者にとって強力な選択肢となっています。

💡 こう使える!

例えば、サイバー犯罪の捜査で容疑者のパソコンのハードディスクを押収した場合、IPEDにそのディスクイメージを読み込ませると、削除されたファイルの復元、WhatsAppやTelegramのチャット履歴の抽出、不適切な画像の自動検出、暗号化ファイルの検知、ブラウザ閲覧履歴の解析などを一括で自動処理し、証拠として使える情報を整理された画面で確認できます。

ユースケース: 犯罪捜査や企業の不正調査で、押収したパソコンやスマートフォンのデータを効率的に解析し、証拠となる情報を発見するために使います。

  • ブラジル連邦警察が2012年から開発を続ける本格的なデジタルフォレンジックツール
  • 1時間400GBの高速処理と1億3500万件対応の大規模データ処理能力
  • 顔認識・ヌード検出・音声文字起こし・OCRなどAI機能を多数搭載
  • WhatsApp・Telegram・Skypeなど多数のチャットアプリの解析に対応
  • WindowsとLinuxの両方で動作し、インストール不要のポータブル版として持ち運び可能
GitHubで見る →

IPED Digital Forensic Tool. It is an open source software that can be used to process and analyze digital evidence, often seized at crime scenes by law enforcement or in a corporate investigation by private examiners.

技術情報

言語

Java

ライセンス

NOASSERTION

最終更新

2026-03-10

スター数

2,305

フォーク数

397

Issue数

334

トピック

digital-forensicsforensicrecovery

技術詳細

アーキテクチャ・技術スタック

  • 開発言語: Java(JDK 11 + JavaFX)
  • ディスクイメージ解析: Sleuthkit Library を使用してディスクイメージとファイルシステムをデコード
  • 拡張性: JavaScriptおよびPython(CPython拡張含む)スクリプトで機能拡張可能
  • 外部ツール連携: コマンドラインツールをファイルデコードに統合可能

対応フォーマット

  • ディスクイメージ: RAW/DD, E01, EX01, ISO9660, AFF, VHD, VHDX, VMDK(差分VMDKも対応), AD1(AccessData), UFDR(Cellebrite), UDF(ISO)
  • ハッシュアルゴリズム: MD5, SHA-1, SHA-256, SHA-512, eDonkey, PhotoDNA(法執行機関限定)
  • ハッシュセット: NIST NSRL, NIST CAID, ProjectVIC, Interpol ICSE, 標準CSV形式

対応環境

  • OS: Windows、Linux
  • ポータブル動作: インストール不要、リムーバブルドライブから直接実行可能

パフォーマンス

  • 処理速度: 最新ハードウェアで最大400GB/時
  • 最大ケースサイズ: 1億3500万アイテム(マルチケース対応、2019年12月時点の実績)
  • データカービング: 処理時間の10%未満で40以上のファイル形式をスキャン

主要機能一覧

解析・検索

  • ファイル内容・メタデータのインデックス化と高速検索(未知ファイル・未割り当て領域含む)
  • 正規表現検索(クレジットカード、メール、URL、IP/MACアドレス、暗号通貨ウォレットなど)
  • 類似文書検索(閾値設定可能)
  • 類似画像検索(内部・外部画像使用)
  • 類似顔認識(GPU不要、閾値設定可能)
  • 70以上の言語検出
  • 固有表現抽出(Stanford CoreNLPモデルが必要)

AI・機械学習機能

  • ランダムフォレストによる画像・動画のヌード検出
  • Yahoo open-nsfwディープラーニングモデルによるヌード検出(Keras/TensorFlow必要)
  • Tesseract 5によるOCR(光学文字認識)
  • 音声文字起こし(ローカル実行、Azure/Google Cloudリモート対応)

チャット・通信解析

  • WhatsApp, Skype, Telegram, Emule, Shareaza, Ares, BitTorrentなどの解析
  • ブラウザ履歴: IE, Edge, Firefox, Chrome, Safari
  • 通信のグラフ分析(通話、メール、インスタントメッセージ)

可視化・タイムライン

  • 画像・動画ギャラリー
  • GPS位置情報の地図表示(Google Maps, Bing, OpenStreetMaps)
  • 統合タイムラインビューとイベントフィルタリング
  • 任意メタデータによるファイルクラスタリング

処理プロファイル

  • forensic(フォレンジック)、pedo/CSAM、triage(トリアージ)、fastmode(プレビュー)、blind(自動データ抽出)

出力・連携

  • HTML/CSVレポート生成
  • タグ付きデータのポータブルケース作成
  • Web API(リモートケース検索、メタデータ取得、サムネイル取得、ブックマーク投稿)
  • 処理の中断・再開機能(--continue/--restartオプション)

安定性

  • ファイルシステムデコードとファイル解析をプロセス外で実行し、クラッシュ耐性を確保
  • 暗号化検出(既知形式およびエントロピーテスト)

ライセンス

  • オープンソースソフトウェア(2019年に公式公開)
  • PhotoDNA機能は法執行機関限定

インストール・クイックスタート

ソースからのビルド手順

必要なもの: git、Maven、Java JDK 11 + JavaFX(例: Liberica OpenJDK 11 Full JDK)

# JAVA_HOME環境変数をJava 11のインストールフォルダに設定
git clone https://github.com/sepinf-inc/IPED.git
cd IPED
mvn clean install

target/release フォルダにスナップショット版が生成されます。

注意: デフォルトのmasterブランチは開発用で不安定です。安定版をビルドしたい場合は、cloneの後にリリースタグをチェックアウトしてください。

Linuxの場合は、Sleuthkitと追加の依存関係もビルドする必要があります(Linux向けガイドを参照)。

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